Alexa音声デザインガイドを読んでスキルの目的とユーザーストーリーを再設計する
はじめに
Amazonが公開しているAlexa向けドキュメントの中に音声デザインとはどうあるべきかを示したガイドラインがある。こういった音声インタフェース向けのデザインのことをVoice User Interface(以下、VUI)と言うらしい。
Amazon Alexa Voice Design Guide
今回はこのガイドラインを読んで、自作スキルの日本郵便番号の音声デザインをやり直してみたいと思います。
Amazon.co.jp: 日本郵便番号: Alexaスキル
目的とユーザーストーリーの設計する
まずはじめにスキルの目的とユーザーストーリを設定しようということなので書いて見る。一問一答形式で回答してみます。
スキルの目的は何ですか?人々がそのスキルを使いたいと思う理由は何ですか?
住所から郵便番号を簡単に知ることができる。インターネットで「郵便番号検索」と入力して住所をたどっていくより簡単に知ることができる。
スキルとやり取りする前後や、やり取りの最中に人々は何をしていますか?
宅急便の宛名を書いている。ハガキの宛名を書いている。
人々が、ほかの方法では得られないが、スキルから得られるものは何ですか?
目的の郵便番号を簡単に知ることができる。
そのスキルで、ユーザーは何ができて、何ができませんか?
住所を発話することで郵便番号を知ることができる。郵便番号から住所を知ることはできない。
ユーザーが利用できる情報は何ですか?
住所と郵便番号の組み合わせ情報。
ユーザーはどのようにしてスキルを起動できますか?
「日本郵便番号で岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号を教えて」
スキルの目的に直接関係するのはどの機能ですか?
住所から郵便番号を調べる機能。
他の媒体から取得すべき情報はありますか?例えば、ウェブサイトやモバイルアプリから取得すべき情報はありますか?
特に無い。
台本を作る
次にAlexaとの会話を具体的な内容で台本を書くと良いらしい。複数のシチュエーションをイメージしてできる限り全てのパターンを洗い出してみる。
起動〜調べるパターン
アレクサ、日本郵便番号を開いて。
日本郵便番号は住所から郵便番号を調べることができます。調べたい住所はどこですか?
岡山県岡山市南区xxx1丁目
岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号は123-4567です。
起動と同時に調べるパターン
アレクサ、日本郵便番号で岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号を教えて。
岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号は123-4567です。
該当が3件のパターン
アレクサ、日本郵便番号で岡山県岡山市南区xxxの郵便番号を教えて。
岡山県岡山市南区xxxの郵便番号が3件あります。
岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号は123-4567です。2丁目の郵便番号は123-4567です。3丁目の郵便番号は123-4567です。
該当が4件以上のパターン
アレクサ、日本郵便番号で岡山県岡山市南区の郵便番号を教えて。
岡山県岡山市南区xxxの郵便番号が4件以上あります。もう少し詳しい住所を教えてください。
岡山県岡山市南区xxx1丁目
岡山県岡山市南区xxx1丁目の郵便番号は123-4567です。
該当の住所が見つからないパターン
アレクサ、日本郵便番号で吉備国の郵便番号を教えて。
申し訳ありません。吉備国の郵便番号は見つかりませんでした。
ヘルプパターン
アレクサ、日本郵便番号を開いて。
日本郵便番号は住所から郵便番号を調べることができます。調べたい住所はどこですか?
ヘルプ
日本郵便番号は住所から郵便番号を調べることができます。調べたい住所はどこですか?
ストップパターン
アレクサ、日本郵便番号を開いて。
日本郵便番号は住所から郵便番号を調べることができます。調べたい住所はどこですか?
ストップ
日本郵便番号のまたのご利用をお待ちしています。
まとめ
既に公開済みのスキルでストーリーを考えると体系的にまとめられるし、抜け漏れが見えてくる。
これはスキルをアップデートしないと!という気持ちになってくる。
Let’s enjoy VUI.