技術書典5で同人誌を販売した話
はじめに
10/8(月)に池袋で開催された技術書典5に初出典してきました。 そこで得た知見と次回に向けての改善点を書いてみます。 次回の出典を検討されている方の参考になれば幸いです。
事前準備
販売のために、あると便利なものは公式のサークル向けガイドラインにも書かれています。 今回は初出典ということで、ここに書かれているものをすべて準備しました。
ポスカ 8色
ポップを書くために中字の8色ポスカを購入しました。 しかし!絵心のあるメンバーがいる訳ではなくイラストを書くことはありませんでした。 赤、青、黒の3色くらいで良かった気がします。 あと、文字書くのは中字よりも細字の方が便利だったと思う。。。
スケッチブック A4
A4サイズは持ち運びにもちょうど良くて、サイズ感もバッチリです。大きく使いたければテープで貼って調整すれば問題なし。
ポップスタンド
今回、印刷をお願いした日光企画では特典としてA2のポスターが無料で付いていました。 このポスターを張り出すためのポップスタンドを買いました。
当初は販売机の後ろに立てるつもりでしたが、そうなると持ち運ぶのが不便な大きさとなるため机上タイプにしました。 販売スペースの机は狭いのでギリギリでしたが携帯性とのバランスだとこの辺りが良かったと思います。
ブックスタンド
見本誌を立て掛けておいて通りすがりの人に表紙が見えるようにしました。 今回の本はB5サイズでしたが立て掛けておくにはちょうどよいサイズでした。
あの布
販売スペースの机の下に荷物を置いても前面から見えにくくするために「あの布」を買いました。 この布は裏側にはポケットがついていて、お釣りを入れたりペンを入れたりと何かと重宝しました。
マスキングテープ
現地では価格を書いたポップを貼り付けたりと何かと重宝しました。 ただ、マスキングテープもこんなにカラフルな必要はありませんでした。 男ばかりだとカラフルに装飾するわけでもなく。。。
よく売れるタイミングは開始と終了がピーク
技術書典は11時オープンですが、10時頃から外には長蛇の列が。 欲しい本を確実に買うためのガチ勢の方たちです。 開始30分で5冊売れた時には「この勢いならお昼には完売するのでは?」と安易に考えていました。 実際には売れるペースはお昼に掛けて段々と落ち着き、14時頃にはお客さんの数も落ち着いていました。
終了時間に近づくと今度はサークルで販売していた人たちが購入しようと見て回っているようで売れ行きも戻ってきます。 そして、我々の本は終了の1時間前の16時頃に完売しました。 100冊注文しましたが、予備?として印刷所さんが8冊追加してくれていたので、著者の記念用と贈答用に5冊抜いて販売数は103冊でした。
電子版はBOOTHで販売するのが良さそう
当初は電子版をAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシングで販売する予定でした。 しかし、KDPではEPUBなどの形式に変換する必要がありました。
RE:ViewはEPUBの出力にも対応していますが、変換してみると見た目の調整が必要でした。 そこで、急遽BASEでショップを作りました。 製本版が完売した場合にはBASEのショップに誘導して電子版を購入してもらおうと考えBASE用のQRコードを準備していました。
ただ、技術書典の電子版がBOOTHで大量に売られていることが分かり念の為こちらにもショップを構えていました。 BOOTH側は告知せずに放置しているだけでした。 結果、BASEは販売数0冊、BOOTHは告知していないにもかかわらず4冊も売れました。
BOOTHには技術書典5のタグがありこれを巡って購入している方が一定数いるようです。 技術書典で販売する本は、BOOTHで電子版を販売するほうが目にとまりやすそうです。
もしも、「俺たちが知りたかったAlexaの話」の電子版がほしい方はこちらから購入していただければ。
俺たちが知りたかったAlexaの話 - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)
売上
さて、今回の売上ですが包み隠さずにすべてを晒すと次の通りです。
支出
- 技術書典参加費:¥7,000
- 印刷費:¥91,690
収入
- 技術書典:¥154,000
- 技術書典(後払い):¥52,000
- BOOTH:¥7,712(手数料:3.6%)
利益
- 合計:¥115,022
- 1人あたり:¥28,755(著者3人、デザイナー1人)
交通費を考えると赤字ですが、今後の展開や参加した経験は大変満足したので今後も出典したいと思います。
改善点
最後にいくつか気がついた点や、次回に活かせる事が分かったので振り返りたいと思います。
見本誌用のカバーを持参
今回は著者の記念用を見本誌として、立ち読み場と店頭に置いていました。 製本版の良い所は中身をじっくりと読めることです。 その為には手にとって読んでもらえる見本誌の存在は重要です。 しかし多くの人が手にとって読んでいると手垢が付いたり傷がついたりします。
そこで見本誌にはカバーを付けるのが良さそうです。 他のサークルで見本誌にカバーを付けていたので次回は準備しておきたいと思います。
領収書は準備していこう
技術書を会社の経費で買う方も多いので領収書を準備しておいてあげると良さそうです。 必要な方には、その場で手書きの領収書を渡すだけで良いでしょう。
当日はハッシュタグを付けて販売状況をツイート
開始前に並んでいた方が、Twitterで#技術書典のハッシュタグを眺めている方をたくさん見かけました。 そこで、出展場所とどういった本なのかをツイートしてあげると目に付きやすそうです。
また、現在の売れ行き情報をツイートしてあげると購入予定の方が買えなかったという事が防げそうです。 「残り5冊です」とツイートしたときに、買う予定だったけど残数が少ないのですぐに買いに来ましたという方もいました。
前日には電子版を公開しよう
電子版は事前に準備していましたが、とくに告知はしていませんでした。 当日、製本版が売れ残ったら持ち帰らなければならず日和って告知していませんでした。 しかし、もっとも注目される技術書典の前後で公開しておくと、当日は会場に来られない方のためにも良さそうです。
そもそも、製本版を購入される方は本の中身をじっくり見たい方だと思うので電子版を購入する方とあまりかぶらないのかもしれません。 また、我々の本は製本版の最後のページにPDF版の申し込みURLを記載していたため、製本版+PDF版の両方が入手できるのでお得感もあって売れ残る事は無かったかもしれません。
ポスターには本の内容が一目でわかる文言を
我々の本には「Alexa」というキーワードが入っていましたが、内容は中級者向けの内容です。 また、表紙だけではどういった内容が書かれているかの詳細についてはわかりません。
店舗前は見本誌を読んでいる方が2〜3人いると通路からは何の本を売っているのか見えにくくなります。 そんな時にポスターがあると遠くからでも本の表紙は見えます。 ただ、ポスターは表紙をそのまま印刷していたので、ポスターには本文のキーワードをいくつか書いておいてどういった内容なのか、わかるようにしておくと通りすがりの人にもひと目で分かって親切です。
まとめ
今回は技術書典、初出典でしたが大変楽しい一日でした。 実は今回の共著の際には、今回の本文の内容の2〜3倍を考えていました。
「俺たちが知りたかったAlexaの話」はたくさんあるので続編を次回の技術書典6にも出典できたらと思っています。
最後に記念すべき1冊を購入してくれたShuichi Tsutsumi(@shu223)さんとパチリ。
技術書典での戦利品の一部も。
Let’s enjoy writing!